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◆労働政策研究・研修機構の調査
近年、労使トラブルは増加傾向にありますが、それに伴い懲戒処分を実施する(または実施を検討する)企業も増えているようです。
ここでは、独立行政法人労働政策研究・研修機構から今年7月末に発表された「従業員の採用と退職に関する実態調査」(常用労働者50 人以上を雇用している全国の民間企業5,964社が回答)の結果から、企業における懲戒処分の状況について見てみましょう。
◆懲戒処分の規定内容
まず、懲戒処分の規定が「ある」企業の割合は 94.6%で、規定のある企業を対象にその規定の形式を尋ねたところ、ほとんどの企業(98.1%)が「就業規則」に規定していることがわかりました。なお、「労働協約」で定めている企業は6.4%でした。
規定内容は、割合の高い順に「必要な場合には懲戒処分を行う旨の規定」(75.7%)、「懲戒処分の種類」(69.9%)、「懲戒の対象となる事由」(61.9%)となっています。
◆最近5年間における実施状況
ここ5年間での懲戒処分の種類ごとの実施割合は、次の通りとなっています。
(1)始末書の提出(42.3%)
(2)注意・戒告・譴責(33.3%)
(3)一時的減給(19.0%)
(4)降格・降職(14.9%)
(5)懲戒解雇(13.2%)
(6)出勤停止(12.3%)
(7)諭旨解雇(9.4%)
なお、「いずれの懲戒処分も実施していない」企業の割合は39.0%でした。
◆懲戒処分実施時の手続き
懲戒処分を実施する際の手続きとして法律で定められた要件はありませんが、一般的には「理由の開示」、「本人の弁明機会の付与」が必要とされています。
また、「労働組合や従業員代表への説明・協議」を行うことにより、本人以外の従業員の納得性を高めることもできますので、実施する際には慎重な配慮が必要です。